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ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

感情を表す語

自分の感情は「受け身」

英語の特徴の1つではないかと思うのですが、人の感情を表す語の多くが「受け身形」です。感情が動くのは自分の能動的なアクションではなく、他の何かの要因によって「そうさせられた」という感覚ですね。日本語ならば「私は興味を持った」と、能動的と思える表現をするところで、be interested in~のように受け身にする。でも考えてみれば当然かもしれません。感情というのはたしかに自分でコントロールしにくいものです。自分がそうしようと思ってそうしたわけではないのです。…というより、日本語ではむしろ、主体と客体の区別、能動と受動の区別があいまいだからそれもあいまいになってしまうのですね。「私は退屈だ」も「この本は退屈だ」も区別がないのです。

そこが、この感情を表す語において日本人がしばしば、つい間違いを犯してしまう元凶です。
******

これについて、私自身の、まるで作ったような本当の話があります。
前から書いているように、私は30歳近くまで英語がしゃべれませんでした。もちろん学校英語の知識はそれなりにありましたが。初めての海外旅行で、私は何を思ったか、ひとりでモルジブに行きました。一人旅の私以外は、ハネムーナーしかいませんでした…。遠い南の島までわざわざ行って、必要以上に寂しい思いをしてしまったのですが、まあとりあえずヒマだったので、私はホテル(島ひとつがまるごとリゾート)のバーテンだったドイツ人の男の子としゃべるようになり(あくまでたどたどしい英語で…)、彼がオフの時間に「デート」しました。
私が、こんなきれいな島で仕事できるなんていいなあ、と(たどたどしく)言うと、彼は、でもここは海しかないからね、というようなことを言いました。私はそれを聞いて

"That's why you are boring!"
と言い放ってしまいました……(^◇^;)。
お分かりでしょうか。boringは「退屈」という意味ですが、This movie is boring. のように、「退屈させる」ものに対して言うのです。だから上の言葉は

「だからアンタって、退屈なヤツなのね!」

という意味になってしまいます。
……………。
もちろん私の言いたかったのは
"That's why you are bored"  「それでアナタは退屈しているのね」
の方でした。
でもなにしろ英語が分かっていない私は、自分の冒した過ちにその時点では気づいていなかったのです。むしろ
「お、That's whyなんて上手く使えちゃったじゃん、へへ」
ぐらい思ってたのでした。けれど、その言葉を放った後の、一瞬凍り付いたような彼とその場の雰囲気にはなんとなく気づいて
「??」
と思っていました。おそらくその場の「フリーズ」感覚のために、たどたどしく会話していたから本来自分がどんな言葉を使ったかなんて覚えちゃいないはずなのに、そのセリフだけは妙にくっきり頭に残っていたのです。


その旅行がひとつのきっかけとなって「英会話勉強しなきゃ!」と思ったわけですが、そうこうしているうちに、3年ぐらいすぎ、あるとき私は
「あ!!!!」
と突然気がつきました(別になんの脈絡もなく…(^_^;))。あのとき私が犯した過ちに…。
どうりでロマンスに発展しなかったわけです_| ̄|○

てなことで、使い方を間違えると、とっても「危険!!」なんですよ。
しばしば言いがちなのが
×I'm exciting. とか×I'm interesting.とか。ま、状況によっては間違いじゃないんですが。「私って、刺激的よ~~ん」「オレって、面白いんだぜ」原則として、「感情を刺激する」動詞がいくつかあるわけです。それを受け身で使えば「感情を表す形容詞」のように扱えますし、ing形にすれば、特定の感情を起こさせるような、そのものやことがらの性質を表すことができます。excite 興奮させる  → 興奮させられるとワクワクします(I'm excited.)  なにが興奮させるの? たとえばサッカーの試合、とかね。This game is exciting!
I'm exciting.はちょっとアレ(?)ですが、 She(He) is exciting! ならありそうですね。

その他、bore (退屈させる)  interest (興味を持たせる)  tire(疲れさせる)  surprise(驚かせる)  amaze(驚嘆させる) astonish (驚愕させる)  embarrass (恥ずかしがらせる)  move(感動させる)  touch(感動させる・心を傷つける)  frighten(驚き怖がらせる)  shock(ショックを受けさせる)  confuse (混乱させる) disappoint(がっかりさせる) depress(落ち込ませる) frustrate(イライラさせる) などは、同じ原理で、-ed/-ingを使い分けます。
★impress(印象づける)  は、受け身(感情を表す)だとimpressed ですが、能動だと impressiveです。
★ashame(恥ずかしく感じさせる)も、ashamed に対し能動だとshamefulです。
★scare(怖がらせる)も、scared に対し、能動はscary です。このように例外もときどきあります。

使い分け例いくつか
恥ずかしい!系 embarrassed  vs  ashamed 

両方とも「恥ずかしい」ですが、embarrassedのほうは、失敗して決まりが悪い、というような恥ずかしさであり、ashamed は、人として好ましくない振る舞いをしてしまった、というようなときの恥ずかしさです。
電車でお年寄りに席を譲らなかったときはashamedですが、譲ろうとして「あたしゃそんな年寄りじゃない!」とか拒否されてしまったらembarrassed 、って感じですね。
ついでに、shyも「恥ずかしい」ですが、これは、「気後れしている」という感じ。ただし、その人の本来の性格についても言うことがあり、その場合は「恥ずかしがり屋」です。
I was shy. (私はそのとき気後れしていた)
I am being shy. (私はいま、気後れを感じている)
I am shy. (私は恥ずかしがり屋だ)

驚き!系  surprised astonished  amazed  impressed
surprised は、意外なことに対する驚き、
astonished は、surprisedより強い驚き
amazed は、驚異的なことで感心するような驚き。
impressed は、感心する、感銘を受けるということ

怖い!系  scared frightened afraid terrified
scared frightened はほぼ同じ意味合いで(scaredのほうがくたけた一般的な表現)「突然の,通例一時的な,身のすくむような恐怖 どきっとする」
afraid は びくびくする怖さ、ためらい、気がかりなどを表す。
terrified は、自制心を失うほどの激しい恐怖。




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